つきよみひよみのヨーガ

「判断しない」「やり過ごす」「自分のペースで」



ヨーガとは自分の心と体とむすびつくこと

ヨーガの語源は“ユンジュ”。「結びつく、統合する」という意味です。心と体を統合する、内なる神性と結びつくことです。

私たちはこの世に生を受けた瞬間から肉体と心を授かりました。この生が続く限りこの心と体と付き合っていきます。

心と体は移ろいやすく掴みどころがありません。調子が良い時もあればそうでない時もあり、調子が良くない時には感情に振り回されたり、肉体的に苦痛が生じたりします。悪循環におちいるとなかなかそこから抜け出せなくなって、ますます状態は酷くなっていきます。

どんな時に体がどんな反応をするのか、どういう時に気持ちがかき乱されるのか、感情が高ぶるのか、といった自分の”癖”が分かるとセルフマネジメントがしやすくなります。そうした自分の”癖”を知る手段の一つがヨーガです。


マインドフルネスをベースにしたヨーガ・セラピー

マインドフルネスとは「今この瞬間」を意識的に気づいていく“在り方”です。古の賢者や禅僧、ヨーガ行者はこのマインドフルネスの実践者と言えます。

私たちは「今この瞬間」にしか生きられません。「今この瞬間」の積み重ねが過去であり今この瞬間を生きていくことが未来へと繋がっていきます。それにもかかわらずわたしたちは過去の出来事やまだ起きてもいない未来のことで頭がいっぱいです。

それは「今この瞬間」に起こっていることではなく、全ては私たちの頭の中で繰り広げられている「頭の中のおしゃべり」なのです。

まずは体から。それから呼吸、意識へとアプローチ

ヨーガ・セラピーでは最も感覚をとらえやすい肉体からアプローチしていきます。それから呼吸(生気)、さらに心(意識)の領域へ…といったように、肉体という粗雑な領域から目には見えないより微細な領域へと徐々にアプローチしていきます。


まずは体を動かしてみましょう…

アサナ(体操)では体から生じてくる感覚に意識を向けます。ヨーガ・セラピーは体の柔軟性やポーズの完成度を求めるものではありません。体が硬い方、体力に自信がない方、ヨガが初めての方でも安心して取り組んでいただけます。正座や胡坐が難しい方は椅子を利用してできます。また体に程よく負荷(ストレス)をかけ意識的に緊張と弛緩を繰り返します。この緊張と弛緩の繰り返しで”幸せホルモン”と言われている脳内伝達物質”セロトニン”の分泌が促されます。


それから呼吸法…

産まれてくる赤ちゃんは誰に教えられたわけでもないのに「オギャー!!」と生まれた瞬間から呼吸を始めます。そしてその呼吸は肉体を離れるまでの間ず~~~~っと続けられています。

今、1分間呼吸を止めてみてください。どのような体の感覚がありましたか?どんな気持ちになりましたか?ヨーガでは「呼吸は心と体のかけ橋」と言われています。呼吸の状態で今の体の状態、心の状態が見えてきます。自動化された呼吸を意識的に行うことで自分の呼吸を知ることができます


最後に少し静かに座ってみましょうか?

アサナ、呼吸法で体や呼吸の感覚が研ぎ澄まされてくると、自然と心の状態も穏やかに落ち着いてきます。波立っていた湖面がシ~ンと静まり返り、水も澄んで湖底の石も透けて見えるイメージです。心身が落ち着いたところで静かに座ります。生じてくる感覚や思考を判断せず、あるがままの状態をただただ見ていきます。


セラピストより

自分自身、ヨーガの智慧を知ったことで「自分」と思っていた「心」と「体」から少しずつ解放されていきました。出来事に対するスタンスが変わってくるので、今は「まぁ、何とかなるやろ~、大丈夫」と思うことが多いです。

ヨーガ・セラピーは定期的に長く続けていくことで本来備わっている直観力、治癒力、創造力など内なる力が目覚めていきます。

まずは体が基本です。体を調えて心の状態を観る。頭で考えるよりまずは体で感じてみてください。無理をせず、焦らず、頑張らず、少しずつやっていきましょう。