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これまでの人生の中で一番キラキラしていた時間(とき)はいつだったか。
それは幼少期から12,3歳くらいまでの10数年なのではないかと思う。
学校では体育の授業と休み時間には水を得た魚のように走り回っていた。
漫画を描くのが好きで、短いストーリーを描いては冊子にして女の子同士で見せ合いっこした。
作文を書くのが好きだった。日記をつけ、詩のようなものを書いたが、これは人に見せたことはなかった。
家に帰ると近所の子たちと遊びまわった。路地で子どもが遊ぶ傍らで母親同士も集まってお喋りに興じていた。
世界中の全てがあたしに「YES」と言い、あたしも世界中の全てに「YES」と言った。
全肯定されていた。
近所には色々な家族がいたし、色々な大人がいた。みんな、親や大人である以前に一人の人間として興味深かった。
『くまのプーさん』の翻訳者である石井桃子さんのことばに、
‘子どもたちよ
子ども時代をしっかりとたのしんでください。
おとなになってから 老人になってから あなたを支えてくれるのは
子ども時代の「あなた」です。‘
というものがある。
子どもの頃に過ごした時間やその時の情景に思いを馳せる時、その時に見た人の顔や景色、聞こえた音や声、色、匂いが一瞬にして甦る。もはや思い出として表出するのではなく、リアルにその時の自分になる。そこに客観性はない。
宝石箱のような子ども時代。中にはたくさんの美しいものが溢れている。
世界の全てがあたしに「YES」と言い、あたしも世界の全てに「YES」といった時間。
それがあたしの幸せの源だ。
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